こんにちは、たつまです。
夏ですね。太陽が本気になってきましたね。
平成最後の夏です。
ぼくにとっては社会人最初の夏です。休みが短い。。嗚呼。。。
さて、昨日、森岡書店さん主催の「蟻鱒鳶ル見学会」に参加してきました。
なんて読むかって?「ありますとんびる」です。
学生のころの専門が建築だったこともあり、専門雑誌や展覧会などで目にしたことがあった蟻鱒鳶ル。その背景が特殊すぎて頭に残っていました。
そんななか森岡書店さんからイベントのお知らせが。なんてラッキーなんだ。
東京はいいですね。イベントがいっぱいある。(森岡書店さんについては後々きっと、、、)
場所は田町駅で降りて徒歩10分弱。聖坂を上るとクウェート大使館の手前に異形の建築がみえてきます。
丹下健三さんのまなざしが届きそうな場所で蟻鱒鳶ルは育てられるかのように建てられています。
集合時間の10分前に現地に到着するとすでに他の参加者の方々がパシャパシャと外観を取ってました。
時間から少し遅れて施主かつ設計かつ施工の岡さんがいらっしゃいました。
岡さんに案内されて建物の地下に降りるとそこから見学会スタートです。
この日はTV番組の収録だったそうで、バラエティの厳しさを実感してきたそうです(笑)
もくじ
13年間、ライブを続ける建築
この蟻鱒鳶ル、なんと着工から13年経ってるそうな。
13年?新生児が中学生になるまでの時間と同じですね。その間一つのことに従事するだなんて気が遠くなりそうです。。。
ですが当のご本人、初期構想では3年で完成させる予定だったとのこと。
いやいやいやいや、見積もりが甘い!(笑)
聞いてみると、書籍やメディアでは聞けない話をたくさん聞けました。
この13年は「建築する」という行為を起点にいろいろな物語が蓄積された時間でした。
1年半にわたる地下掘削
この土地、一等地にはあるんですが、業者からするとなかなか厳しい土地だそうす。
地下を掘るときに業者を探したそうなんですが、引き受けてくれる業者の捕まらないこと。
最終手段で知り合いに倍額を提示しても受けてもらえなかったところで断念。
岡さん、自分の手で掘ることを決意。見積もってもらうと4tトラック100杯分と言われ。
途方もない作業が始まります。なんと掘りきってコンクリートを打ち始めるまでにかかった時間は1年半。最終的に4tトラック約80杯をマンパワーのみで掘りきりました。
石のおじちゃん
そんな感じで地下掘削をしていたときのお話。
墓石の半分くらいの大きさの石が出てきたそうな。港区という土地柄か掘ってても小石や砂利がほとんどで、ここまで大きな石がでることはないんですって。
でも出てきてしまったものはしょうがない。掘り起こしてどうしたもんかと間口のほうに置いておいたところ、
「おう。いい石だな。どんな石だ?」と尋ねてくるおじちゃんが。
「お、重い石です」と答える岡さん。
おじちゃん「そうだろうなあ重いよなあ。硬い石だろうなあ」
素性のわからないおじちゃんの話を聞いていくと面白い話が。
ここは港区で、昔はすぐそこまで海だった。てことはこのあたりにそんな大きな石があるのはおかしい。ほとんどの石はここまで流れてくる間に削られて割れて小さくなる。
そこの石は削られ切らずにこの地まで流れてきた。なんで削られ切らなかったのか。
硬いから。これに尽きる。
おじちゃんは続けて「その石ひっくり返してみ?四角い穴があるから」
なんのこっちゃと思いながら話を聞くと、
その石がこの開発された土地に残っているのにはもう一つ理由がある。
人が使ったんだ、と。硬い石を頑張って加工して、建物の柱に基礎に使っていたんだ。
だから穴があって、この場所に残っていると。
「あーなるほど」とどことなく力を感じた岡さんはその石を捨てることなく建物の一部にしたそうな。
(写真を撮るのを忘れてしまった・・・・・)
まだまだ書くことあるし、まとまらないから一旦まとめる
この話は見学会で聴いた本の一部で、まだまだ書きたい物語がたくさんあります。
メディアでは聞けないここだけの話や、岡さん自身のお話も、まだまだあります。
だがしかし、ちょっと文が止まりそうにないのでいったんここで切ります。
建築され続ける建築「蟻鱒鳶ル」。
13年間の建設とともに多くの関係も積み重ねてきてます。関係が生まれた分だけそこには物語がある。
一つのことに集中することから生まれる世界と、手を動かし続けるエネルギーと熱意。
なんといえばいいのでしょう、創作意欲というのかものづくり欲というのか、いい刺激をいただけた見学会でした。
またこの続きを書くことを未来の自分にゆだねて、今回はこのへんで。
その2にご期待あれ。
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